心地よい香りのアロマオイルやきれいな色のマニキュア。
このようなアイテムは、わたしたち人間にとって癒しのひとつです。
でも実はそういった化粧品が、一緒に暮らすインコさんの命を脅かす危険性があることをご存知でしょうか。
今回は、インコさんに悪影響を及ぼす身近な化粧品についてお話しします。
インコさんの命にかかわる危険な化粧品
インコさんにとって家庭内にある揮発性化粧品のほとんどが有害なものです。
わたしたちは使いなれた身近なものなので、危険性があることを普段はあまり意識せずに過ごしているかもしれません。
ですが、人間よりはるかに小さいインコさんにとっては命にかかわる危険物となりえます。
それではさっそく確認していきましょう。
ネイルポリッシュ
マニキュア、ネイルカラー、ヴェルニなどとも呼ばれます。
自分で簡単にケアできるので使っているかたも多いですよね。
人間でもこれだけキツく感じる臭いです。
犬や猫ほどの嗅覚はないとはいえ、インコさんにとっても悪臭に違いありません。
小さな体に与えるダメージもはかり知れません。
ネイルポリッシュは速乾のものでも完全に乾くまでに24時間以上かかると聞いたことがあります。
表面は乾いてきていても内部は半乾きの状態です。
その状態でインコさんと触れ合うと、インコさんの健康に害を与えてしまいます。
使う場合はかならず別の部屋で換気をしながらお手入れしましょう。
わたしもたまにネイルカラーを塗るのですが、その日はインコさんと極力触れ合わないように気をつけて、ケージのお掃除や放鳥などのお世話は家族にお願いするようにしています。
そして、ネイルカラーを落とす際につかう除光液もまた揮発性の化粧品です。
ふたを開けたままインコさんの近くに置いたりしないよう注意が必要です。
精油
リラックスする香りで心と体を癒してくれる精油(エッセンシャルオイル)。
その精油がインコさんには毒となることを、以前わたしは経験して知りました。
アロマテラピーに興味をもち、日々の生活にとりいれてみようと、50Lほどの水にラベンダーの精油を2〜3滴まぜて洗濯を回しました。
かなり希釈されているのでほとんどラベンダーの香りはせず。
ですが、インコさんには確実に影響を及ぼしてしまっていました。
洗濯しおわったタオルを室内に干して少したったころ、ルクがしんどそうな様子でとまり木にたたずんでいることに気がついたのです。
いつも元気いっぱいのルクなので、体調に異変があることは明らかでした。
すぐに病院に連れていき先生に診てもらったところ、異常なし。
それどころか病院に向かう車のなかではもう、いつもの元気なルクに戻りつつありました。
そこで、昨日まではしていなかったことで今日したことはなんだろうと考え、すぐに思いあたったのが精油を使ったことでした。
調べてみると・・・。
アロマディフューザーで精油を使用したら愛鳥が亡くなった、という記事をみつけて愕然としました。
わたしが洗濯に精油を使ったことでタオルから成分が揮発して、部屋中の空気を有害なものに変えてしまっていたのです。
それまでわたしは、精油は自然由来のものだから体に害はなく安心して使えるものだと思っていました。
ところが、インコさんのような小さな生き物にとってはまったくそうではなく、むしろ命を落とす危険性の高いものだったなんて・・・。
自然のものは体にやさしいという認識がまったく見当違いだったことに驚き、申し訳なく、恥ずかしくなりました。無知は一番怖いことです。
その日は病院から帰ってすぐに部屋の空気を入れ換えました。
幸いルクはその日のうちに元気に戻ってくれて、いまも元気いっぱいに暮らしています。
香水
香水のおもな成分に香料があります。
この香料に、先に書いた精油が含まれていることがあり、インコさんにとって香水も危険な化粧品です。
精油のような天然香料だけでなく合成香料も健康によくないようです。
最近は「香害」という言葉をよく見聞きするようになりました。
それだけ香水や柔軟剤などの香りで体調をくずす人が多いということでしょう。
人間でもそうなのですから、ましてやずっと小さなインコさんの健康にどれほどの悪影響を及ぼしているかは言うに及ばずです。
香水と同じ理由で、もし柔軟剤を使うとしたら無香料のものがよいでしょう。
お店ではあまり見かけませんが通販だと簡単に見つかります。
わたしはファブラッシュという無香料の柔軟剤をずっと使っています。
インコさんに限らず動物と暮らしているなら、匂いのきつい香水や柔軟剤はひかえたほうがよいとわたしは考えています。
スタイリング剤
インコさんは飼い主さんの肩や頭にとまるのが好きですよね。
その際、頭にスタイリング剤が付いたままだと、インコさんの足や羽に付いてしまうおそれがあります。
整髪料には化学物質がたくさん含まれているため、インコさんにとって危険なものです。
放鳥するときは、なるべく朝の身支度の前やお風呂のあとなど、髪になにも付いていない状態にしておきたいですね。
インコさんを守るために飼い主にできること
家のなかにはインコさんにとってキケンなものが案外たくさんあります。
放鳥タイムは自由にお家の中を飛びまわれるので、いつも以上に飼い主さんの注意が必要です。
ひと部屋を放鳥専用のバードルームにできたら理想的ですが、そうはいかない場合もありますよね。
たとえば、朝どうしても時間がなくて「ながら放鳥」となってしまう場合でも、インコさんが洗面室に入れないようにするなど、飼い主としてできる限りの対策をとりたいところです。
インコさんは飼い主さんが触っているものに強い興味を示すので、インコさんのいるところではメイクやヘアセットをすることは避けましょう。
おわりに
ここまで目を通してくださりありがとうございます。
上でも書きましたが、わたしは精油を使ったことで一度ルクにかわいそうな思いをさせてしまった経験があります。
そのとき一番感じたのは、大事なことを知らない自分に対する怖さでした。
知っていたら防げたことが、知らないから防げなかった・・・。
家にいたから異変に気づいてルクは無事でしたが、もしあのとき洗濯物を干して出かけてしまっていたら、どうなっていたかわかりません。
これからもルクとエルサに健康で幸せな生活を送ってもらうために、わたしも知識を増やすための努力をつづけていきます。
不思議なことに、身近な化粧品に関して注意喚起されているインコの飼育本が少ないので、みなさんにもぜひ知ってほしいという思いで書かせていただきました。
あなたの大切な愛鳥さんの安全と健康に、この記事が少しでもお役に立てたらうれしく思います。
それではまた^^
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